
要約
現在、グラフ表現学習はグラフ構造データを分析する上で基盤的な役割を果たしている。近年の対照学習(contrastive methods)の成功に触発され、本論文ではノードレベルでの対照的目的関数を活用した、非教師ありグラフ表現学習のための新しいフレームワークを提案する。具体的には、グラフのノイズ化(corruption)により2つのグラフビューを生成し、それらのビューにおけるノード表現の一致を最大化することでノード表現を学習する。対照的学習の目的関数に対して多様なノードの文脈を提供するため、構造的側面と属性的側面の両方において、ハイブリッドなビュー生成スキームを提案する。さらに、相互情報量(mutual information)および古典的な三重項損失(triplet loss)の観点から、本研究の動機付けに対する理論的根拠を提示する。実世界の多様なデータセットを用いた推移的(transductive)および誘導的(inductive)学習タスクにおける実験により、提案手法の有効性を検証した。実験結果は、シンプルな構造にもかかわらず、既存の最先端手法を大きく上回ることを示しており、特に推移的タスクにおいては、教師あり手法をも凌駕する結果が得られた。これにより、本手法が実世界の応用において極めて高い潜在能力を有していることが示された。