マップ誘導型カリキュラムドメイン適応と不確かさを意識した評価による意味的ナイトタイム画像セグメンテーション

本研究は、夜間の画像セグメンテーションにおける意味的分類問題に取り組み、夜間のラベルを一切使用せずに昼間モデルを夜間へ適応させることで、従来の最先端技術を上回る性能を達成した。さらに、夜間画像における意味的不確実性が著しいことに対応するため、新たな評価フレームワークを設計した。本研究の主な貢献は以下の3点である:1)昼間の参照地図画像と暗い夜間画像の間の時系列間対応関係を活用し、段階的に明るさが低下する時間帯を経て、昼から夜への段階的適応を実現するカリキュラムフレームワークを提案。これにより、暗い領域におけるラベル推論を効果的に導くことが可能となる;2)画像の一部が人間の認識能力を超える領域を包括的に評価するための、不確実性を考慮した新しいラベル付けと評価フレームワーク、および評価指標を提案。このフレームワークは、評価プロセスにおいて意味的曖昧性の高い領域を体系的に扱うことを可能にした;3)2,416枚のラベルなし夜間画像および2,920枚のラベルなし薄明画像を含み、それぞれの昼間対応画像と対応付けられた「Dark Zurichデータセット」を構築。さらに、本研究の評価プロトコルに基づき、細かいピクセルレベルのラベルが付与された201枚の夜間画像を追加した。このデータセットは、本研究で提唱する新しい評価基準に対する最初のベンチマークとして機能する。実験結果から、地図を用いたカリキュラム適応法が、標準指標および不確実性を考慮した新しい指標の両面で、既存の最先端手法を大きく上回ることが示された。さらに、不確実性を考慮した評価により、意味が曖昧なデータ(本研究のベンチマークなど)において、予測結果の選択的無効化が性能向上に寄与し、ラベルが不適切な入力に対しても安全を重視する応用分野における利点が明らかになった。