
要約
文法的誤り訂正(GEC)に関する研究では、大量の擬似データを用いたSeq2Seqモデルの事前学習が有効であることが報告されている。しかし、このアプローチは擬似データの規模が大きいため、GEC用の事前学習に時間のかかる問題がある。本研究では、双方向的かつ自己回帰的な変換器(BART)を、GEC用の汎用的事前学習済みエンコーダデコーダモデルとしての有用性を検討する。この汎用的事前学習済みモデルをGECに活用することで、時間のかかる事前学習を省略できる。我々は、単言語および多言語のBARTモデルがGECにおいて高い性能を達成することを確認した。特に、英語GECにおける最新の強力なモデルと同等の結果が得られた。本研究の実装コードはGitHubにて公開されている(https://github.com/Katsumata420/generic-pretrained-GEC)。