
要約
近年、学習ベースの手法を用いた画像霞消去は、最先端の性能を達成している。しかし、大多数の既存手法は合成された霞がかった画像上でデハジングモデルを学習しているため、ドメインシフトの影響により、実際の霞がかった画像への一般化能力が十分ではない。この問題に対処するために、本研究では、画像変換モジュールと2つの画像デハジングモジュールから構成されるドメイン適応パラダイムを提案する。具体的には、まず双方向変換ネットワークを用いて、合成画像ドメインと実画像ドメインの間のギャップを埋めるため、一方のドメインから他方のドメインへの画像変換を行う。その後、変換前後の画像を用いて、一貫性制約を導入した2つの画像デハジングネットワークを学習する。この段階では、明瞭画像の性質(例えば、ダークチャネルプライアリや画像勾配の平滑化)を活用することで、実際の霞がかった画像をデハジング学習に組み込むことで、ドメイン適応性をさらに向上させる。画像変換ネットワークとデハジングネットワークをエンドツーエンドで同時に学習することで、両者の性能をより高めることができる。合成画像および実世界画像を用いた実験結果から、本モデルが最先端のデハジングアルゴリズムと比較して優れた性能を発揮することが示された。