11日前
ロングショートタイムスケールでの株価の方向性を予測するためのLSTMとランダムフォレストを用いた手法
Pushpendu Ghosh, Ariel Neufeld, Jajati Keshari Sahoo

要約
1993年1月から2018年12月までのS&P500構成銘柄の日内取引を想定し、その価格変動の方向性を予測する際の有効性を検証するために、ランダムフォレストとLSTMネットワーク(より正確にはCuDNNLSTM)を併用した学習手法を採用した。本研究では、終値に対するリターンに加え、始値に対するリターンおよび日内リターンを含む多特徴設定を導入した。取引戦略として、Kraussら(2017年)およびFischer & Krauss(2018年)の手法をベンチマークとして用いた。毎取引日において、予測確率が最も高い10銘柄を購入し、最も低い10銘柄を空売りすることで、等額の資金配分のもとで市場を上回る日内リターンを狙った。実証結果によれば、多特徴設定においてLSTMネットワークを用いた場合の1日当たりのリターン(取引コスト前)は0.64%、ランダムフォレストを用いた場合のリターンは0.54%であった。これにより、Fischer & Krauss(2018年)およびKraussら(2017年)の単一特徴設定(終値に対する日次リターンのみを用いる)を上回り、それぞれLSTMとランダムフォレストを用いた場合の1日当たりリターンは0.41%および0.39%であった。