Fornax 3Dプロジェクト:早期型銀河中心における惑星状星雲の自動検出と初期結果

銀河外惑星状星雲(PNe)は、比較的強いネブュラ状の[OIII]発光により検出可能であり、局所的な星族の直接的な探査手段として機能する。また、PNeは明るさの普遍的な不変限界(magnitude cut-off)を示すため、距離推定に用いる顕著な標準光源(standard candle)としても注目されている。本研究では、銀河内に存在するPNeを検出し、それらの金属量の相対的な分布と、宿主銀河の星族特性との関係を明らかにすることを目的とする。FCC 167およびFCC 219の星間背景成分を除去することで、これらの銀河における惑星状星雲光度関数(PNLF)を構築し、同時にこれら2系統の距離モジュールを推定する。さらに、本研究で開発した新しい検出および解析手法の信頼性と堅牢性を検証する。本手法は、これまで未解明であった領域において、解像度の限界にある点源としての[OIII] 5007Å発光を検出することを可能にしている。マルチユニット分光探索装置(Multi Unit Spectroscopic Explorer: MUSE)の空間的・スペクトル的両次元での[OIII]発光の同時モデリングを活用し、Fornax3D調査プロジェクトの観測データを用いる。各天体に対して、ネブュラ状発光線の性質を詳細に検討し、超新星残骸やHII領域など、PNLFの正確な構築を妨げる可能性のある他の天体源を排除する。さらに、シミュレーションを用いて本手法の潜在的な限界を評価し、モデリングアプローチの信頼性に関する結論を導き出す。本研究では、積分フィールドユニット(IFU)観測データにこの新規検出・モデリング手法を適用し、2銀河の距離推定値および光度別PNe頻度(luminosity-specific PNe frequency)の値を報告する。また、源の混入、銀河間の差異、および高密度星族環境におけるPNe集団に及ぼす可能性のある影響についても包括的な議論を行う。