11日前

グラフニューラルネットワークのベンチマーク評価

Vijay Prakash Dwivedi, Chaitanya K. Joshi, Anh Tuan Luu, Thomas Laurent, Yoshua Bengio, Xavier Bresson
グラフニューラルネットワークのベンチマーク評価
要約

最近数年間、グラフニューラルネットワーク(GNN)は、グラフ上のデータを分析・学習するための標準的なツールキットとして定着しつつある。この急速に発展する分野では、コンピュータサイエンス、数学、生物学、物理学、化学など多岐にわたる分野において、成功裏に応用が進んだ有望な技術が数多く登場している。しかし、いかなる分野が主流化し信頼性を獲得するためには、進歩を定量的に評価できるベンチマークの構築が不可欠である。こうした背景から、2020年3月に我々は以下の4つの特徴を持つベンチマークフレームワークを公開した。(i)数学的・実世界のグラフを多様に収録したデータセット群、(ii)同一のパラメータ予算下で公平なモデル比較を可能にし、主要なアーキテクチャの特定を支援する、(iii)オープンソースで使いやすく、再現性の高いコードインフラを備える、(iv)研究者が新たな理論的アイデアを実験しやすい柔軟性を持つ。2022年12月時点で、GitHubリポジトリは2,000以上のスターと380件以上のフォークを獲得しており、GNNコミュニティにおける広範な活用を通じて、本フレームワークの実用性が裏付けられている。本論文では、上記のフレームワークの特徴を簡潔に提示するとともに、人気のあるZINCに類似した中規模の分子データセットAQSOLを追加し、実世界で測定された化学的ターゲットを備える点を紹介する。さらに、このフレームワークが新たなGNN設計の探索や新たな知見の獲得にどのように活用できるかを議論する。本ベンチマークの価値を実証する形で、GNNにおけるグラフ位置符号化(Positional Encoding, PE)のケーススタディを行った。このPEは本ベンチマークと共に導入されたが、その後、TransformerおよびGNNにおけるより強力なPEの探索が、堅牢な実験環境のもとで広く注目されるようになった。

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