
トランスダクティブ推論は、少データ学習(few-shot learning)環境におけるデータ不足問題に対処する有効な手法である。少データメトリックベースのアプローチにおいて広く用いられるトランスダクティブ推論技術の一つとして、各クラスのプロトタイプを、最も信頼度の高いクエリサンプルの平均値で更新する、あるいはすべてのクエリサンプルに対して信頼度重み付き平均を用いる方法がある。しかしながら、この手法には重要な課題が存在する。すなわち、モデルが生成する信頼度(confidence)は必ずしも信頼できるものではなく、その結果、誤った予測を引き起こす可能性がある。この問題に対処するために、我々は各クエリサンプルについての信頼度をメタ学習により学習し、未観測のタスクに対してモデルのトランスダクティブ推論性能を向上させるために、ラベルなしクエリに最適な重みを割り当てる手法を提案する。この目的を達成するために、さまざまなモデルおよびデータの摂動下でタスク分布上において入力に適応する距離尺度(input-adaptive distance metric)をメタ学習する。これにより、未観測タスクにおける多様な不確実性に対して、モデルの予測が一貫性を持つよう強制される。さらに、高次元埋め込みベクトルの異なる次元間での予測の一貫性を明示的に強制する正則化項を追加的に提案する。提案手法を、4つのベンチマークデータセット上で検証した結果、強力な最近のベースラインを大きく上回り、新たな最先端(state-of-the-art)の性能を達成した。また、半教師あり少データ学習タスクへの応用においても、ベースラインに対して顕著な性能向上が得られた。本手法のソースコードは、https://github.com/seongmin-kye/MCT にて公開されている。