11日前
フェイクニュースの拡散力を測定するためのモデル
Zoleikha Jahanbakhsh-Nagadeh, Mohammad-Reza Feizi-Derakhshi, Majid Ramezani, Taymaz Akan, Meysam Asgari-Chenaghlu, Narjes Nikzad-Khasmakhi, Ali-Reza Feizi-Derakhshi, Mehrdad Ranjbar-Khadivi, Elnaz Zafarani-Moattar, Mohammad-Ali Balafar

要約
情報の生成および再現を民主化した技術の発展により、ソーシャルメディア上で日々交わされる投稿の多くが虚偽情報(リムール)に感染している。リムールの検出および検証に関する広範な研究が行われてきたにもかかわらず、これまでリムールの拡散力を定量的に評価するという問題は十分に検討されてこなかった。本研究は、この研究ギャップを埋めるため、コンテンツに基づく特徴量の関数として、リムールの拡散力(Spread Power of Rumor, SPR)を計算するモデルの構築を目指す。対象とするリムールは、虚偽リムール(False Rumor, FR)と真実リムール(True Rumor, TR)の2種類に分類される。本研究では、AllportとPostmanの理論を採用し、リムールの拡散力において「重要性」と「曖昧さ」が主要な要因であるとする仮説を基盤とする。これに基づき、「重要性」(28特徴)と「曖昧さ」(14特徴)の2つのカテゴリに分類された計42のコンテンツ特徴量を用いてSPRを算出するモデルを提案する。提案モデルは、TwitterおよびTelegramの2つのデータセットを用いて評価された。その結果、以下の3つの重要な知見が得られた。(i)虚偽リムールの拡散力は、真実リムールのそれよりも極めて低い傾向にある。(ii)虚偽リムール群と真実リムール群のSPR平均値の間に有意差が確認された。(iii)SPRを評価基準として用いることで、虚偽リムールと真実リムールの区別に有効な貢献が期待できる。