
要約
深層ニューラルネットワークは、アノテーションに依存する性質があることが知られている。深層ネットワークを用いた学習におけるアノテーションコストを低減するための多数の取り組みが行われている。代表的なアプローチとして、ノイズのあるラベルを用いた学習と、未ラベルデータを活用する半教師あり学習がある。本研究では、半教師あり学習の手法を活用してノイズのあるラベルを用いた学習を実現する新しいフレームワーク「DivideMix」を提案する。具体的には、各サンプルの損失分布を混合モデルでモデル化することで、訓練データを「クリーンなサンプルから構成されるラベル付きデータセット」と「ノイズを含むサンプルから構成される未ラベルデータセット」に動的に分割し、その両方を半教師あり学習の枠組みで用いてモデルを学習する。確認バイアス(confirmation bias)の回避を図るため、互いのデータ分割を用いて同時に2つの分岐したネットワークを学習する。半教師あり学習フェーズでは、MixMatch戦略を改良し、ラベル付きサンプルに対してラベルの共同時精査(label co-refinement)、未ラベルサンプルに対してラベルの共同時推定(label co-guessing)をそれぞれ実施する。複数のベンチマークデータセットにおける実験結果から、最先端の手法と比較して顕著な性能向上が示された。コードは以下のURLで公開されている:https://github.com/LiJunnan1992/DivideMix。