
要約
本稿では、限られた教師信号のもとで分類および条件付き画像生成を実行するための統一的なゲーム理論的枠組みを提案する。この枠組みは、生成器(generator)、分類器(classifier)、識別器(discriminator)の三者からなるミニマックスゲームとして定式化されており、三者生成的対抗ネットワーク(Triple Generative Adversarial Network;Triple-GAN)と呼ばれる。生成器と分類器は、それぞれ画像とラベル間の条件付き分布を特徴づけ、条件付き生成と分類を実行する。一方、識別器は偽の画像-ラベルペアの識別にのみ注力する。非パラメトリックな仮定の下で、このゲームの唯一の均衡状態が、生成器と分類器が特徴づける分布がデータ分布に収束することを証明する。三者間のメカニズムの副産物として、Triple-GANは異なる半教師付き分類器やGANアーキテクチャを柔軟に組み込むことが可能である。本手法は、半教師付き学習および極めて少ないデータ状況(extreme low data regime)という二つの困難な設定において評価された。両設定において、Triple-GANは優れた分類性能を達成するとともに、特定のクラスに属する意味のある画像サンプルを同時に生成することが可能である。特に、一般的に用いられる13層CNN分類器を用いた場合、データ拡張を適用した場合・しない場合を問わず、10以上のベンチマークにおいて、従来の多数の半教師付き学習手法を著しく上回る性能を発揮した。