
要約
失踪児童の顔画像ギャラリーに対して、最先端の顔認識システムは、後に成長した年齢で発見された児童(プローブ)を正確に同定する能力に欠ける。本研究では、任意の汎用顔認識マッチャーが出力する深層顔特徴量に対して、年齢進行を実現するモジュールを提案する。10年以上の時間差(失踪児童が10年以上経って発見された場合)において、提案手法はFaceNetの閉集合識別精度を40%から49.56%、CosFaceを56.88%から61.25%まで向上させた。これは、子供有名人データセットであるITWCC上で得られた結果である。また、本手法は最先端の手法を上回り、公開年齢変化データセットFG-NETではランク1識別率を94.91%から95.91%へ、CACD-VSでは99.50%から99.58%へと改善した。これらの結果から、年齢進行処理を施した顔特徴量は、児童誘拐や人身売買の可能性がある若い児童の識別能力を高めることが示された。