3ヶ月前

多様な外部知識に対するグラフベース推論による常識的質問応答

Shangwen Lv, Daya Guo, Jingjing Xu, Duyu Tang, Nan Duan, Ming Gong, Linjun Shou, Daxin Jiang, Guihong Cao, Songlin Hu
多様な外部知識に対するグラフベース推論による常識的質問応答
要約

常識的質問応答(Commonsense Question Answering)は、質問本文に明示的に記載されていない背景知識を必要とする質問に答えることを目的としている。この分野における主な課題は、外部知識から証拠を取得し、その証拠に基づいて予測を行う方法をいかに設計するかにある。近年の研究では、人間によるアノテーションによって得られた証拠から証拠を生成する手法が提案されているが、このようなアノテーションデータの収集は高コストである。一方で、構造化または非構造化の知識ベースから証拠を抽出するアプローチも存在するが、これらは両方の知識源の利点を十分に活用できていない。本研究では、異種の知識源から自動的に証拠を抽出し、抽出された証拠に基づいて質問に答えるアプローチを提案する。具体的には、構造化知識ベース(例:ConceptNet)とWikipediaのプレーンテキストの両方から証拠を抽出する。これらの知識源それぞれに対してグラフ構造を構築し、証拠の関係構造を捉える。このグラフを基に、グラフに基づくアプローチを提案する。このアプローチは、グラフに基づく文脈依存的単語表現学習モジュールと、グラフに基づく推論モジュールから構成される。第一のモジュールは、グラフの構造情報を活用して単語間の距離を再定義し、より良い文脈依存的単語表現を学習する。第二のモジュールは、グラフ畳み込みネットワーク(Graph Convolutional Network)を用いてノードの隣接情報を取り込み、グラフアテンション機構により証拠を集約し、最終的な回答を予測する。CommonsenseQAデータセットにおける実験結果から、本手法が両方の知識源に基づくグラフアプローチによって、強力なベースラインを上回ることを示した。本手法は、CommonsenseQAリーダーボードにおいて、SOTA(最優秀)の精度75.3%を達成した。