
要約
常識的推論は、機械に日常的な状況について人間のような仮定を行う能力を付与することを目的としている。本論文では、常識的質問に答えるためのテキスト推論フレームワークを提案する。このフレームワークは、説明可能な推論を実現するために、外部の構造化された常識知識グラフを効果的に活用する。まず、質問と回答のペアを意味空間から知識ベースの記号空間へと対応付け、外部知識グラフの関連部分であるスキーマグラフとして表現する。その後、新たな知識認識型グラフネットワークモジュールであるKagNetを用いてスキーマグラフを表現し、最終的にグラフ表現に基づいて回答をスコアリングする。本モデルはグラフ畳み込みネットワーク(GCN)とLSTMを基盤とし、階層的なパスベースのアテンション機構を採用している。中間のアテンションスコアにより、推論プロセスが透明かつ解釈可能となり、信頼性の高い推論を実現する。BERTベースのモデルにおいて、ConceptNetを唯一の外部リソースとして用いることで、常識的推論を対象とする大規模データセットであるCommonsenseQAにおいて、最先端の性能を達成した。