
要約
既存の大多数の画像ノイズ除去手法は、ノイズが加法的白色ガウシアンノイズ(AWGN)であると仮定しています。しかし、実際の世界で撮影されたノイジー画像に含まれるノイズは、AWGNよりもはるかに複雑であり、単純な解析的な分布ではモデル化するのが困難です。その結果、文献に報告されている多くの最先端のノイズ除去手法が、CCDやCMOSカメラで撮影された実際の世界のノイジー画像に対して適用される場合、効果が大幅に低下します。本論文では、堅牢な実世界画像のノイズ除去のために三方向重み付きスパースコーディング(TWSC)スキームを開発しました。具体的には、スパースコーディングフレームワークのデータ項と正則化項に3つの重み行列を導入し、現実的なノイズの統計特性と画像事前情報を表現しています。TWSCは線形等式制約問題として再定式化され、乗数法による交互方向法によって解くことができます。提案手法の解の一意存在性とアルゴリズムの収束性について分析を行いました。広範な実験により、提案したTWSCスキームが現実的なノイズ除去において最先端の手法を上回ることが示されました。