2ヶ月前
論理クエリの知識グラフへの埋め込み
William L. Hamilton; Payal Bajaj; Marinka Zitnik; Dan Jurafsky; Jure Leskovec

要約
知識グラフの低次元埋め込みを学習することは、エンティティ間の未観測または欠落したエッジを予測する強力な手法である。しかし、この分野における未解決の課題は、単純なエッジ予測を超えて、複数の未観測エッジ、エンティティ、および変数を含むより複雑な論理クエリを処理できる技術を開発することである。例えば、不完全な生物学的な知識グラフが与えられた場合、「疾患Xと疾患Yに関連するプロテインを標的とする可能性のある薬は何か?」というクエリを考えることができる。これは、疾患Xと疾患Yと相互作用する可能性があるすべてのプロテインについて推論を行う必要がある。本稿では、不完全な知識グラフ上で一階論理の柔軟かつ計算可能な部分集合である連言論理クエリ(conjunctive logical queries)に関する予測を効率的に行うためのフレームワークを導入する。当方針では、グラフノードを低次元空間に埋め込み、論理演算子をこの埋め込み空間内の学習された幾何学的操作(例:並進、回転)として表現する。低次元埋め込み空間内で論理操作を行ることにより、当方針はクエリ変数の数に対して線形の時間計算量を達成し、列挙ベースの手法で必要となる指数関数的な計算量よりも大幅に改善される。当フレームワークの有用性を示すために、実世界データセット(数百万件の関係を持つ)での2つの応用研究を行った。1つ目は薬-遺伝子-疾患相互作用ネットワークにおける論理的関係性の予測であり、2つ目は人気のあるウェブフォーラムから派生した社会的相互作用のグラフ表現における関係性予測である。