
要約
本論文では、各カテゴリに対してラベル付き画像が僅かしか存在しない一方で、大量のラベルなし画像を用いた物体検出、「少例物体検出(few-example object detection)」について研究しています。主要な課題は、プールから可能な限り信頼性の高い訓練サンプルを生成することです。数少ない訓練サンプルをシードとして使用し、モデル訓練と高信頼度サンプル選択の反復処理を行います。訓練においてはまず簡単なサンプルが生成され、その後初期化が不十分なモデルが改善されます。モデルがより識別力を持つようになると、難易度が高いながらも信頼性のあるサンプルが選択されます。その後、さらに一巡のモデル改善が行われます。生成された訓練サンプルの精度と再現率を更に向上させるために、複数の検出モデルをフレームワークに組み込んでいます。これは単一モデルベースラインやモデルアンサンブル手法よりも優れた性能を示すことが証明されています。PASCAL VOC'07、MS COCO'14、ILSVRC'13での実験結果によると、各カテゴリに対して選択されたわずか3〜4つのサンプルを使用するだけで、多数の画像レベルラベルを使用する最先端の弱教師ありアプローチと比較して非常に競争力のある結果を得ることができました。