2ヶ月前

DeepSleepNet: 生体電位信号を用いた自動睡眠ステージスコアリングモデル

Akara Supratak; Hao Dong; Chao Wu; Yike Guo
DeepSleepNet: 生体電位信号を用いた自動睡眠ステージスコアリングモデル
要約

本研究では、単一チャンネルの生EEG(脳波)を基に自動睡眠段階スコアリングを行う深層学習モデルであるDeepSleepNetを提案します。既存の方法の多くは、睡眠解析に関する事前知識が必要な手動で設計された特徴量に依存しています。それらの中でも、次の睡眠段階を特定するために重要な時間的な情報(遷移規則など)を抽出された特徴量にエンコードしているものはごく少数です。提案されたモデルでは、時間不変特徴量の抽出に畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Networks, CNN)を利用し、各睡眠段階間の遷移規則を生EEGエポックから自動的に学習するため双方向長短期記憶(bidirectional Long Short-Term Memory, biLSTM)を使用しています。また、効率的なモデル訓練のために二段階訓練アルゴリズムを実装しました。本モデルの評価には、異なる特性(サンプリングレートなど)とスコアリング基準(AASMおよびR&K)を持つ2つの公開睡眠データセットから得られた異なる単一チャンネルEEG(F4-EOG(Left)、Fpz-Cz、Pz-Oz)を使用しました。その結果、両データセットにおいて最新手法と比較して類似の全体精度とマクロF1スコアが達成されました(MASS: 86.2%-81.7, Sleep-EDF: 82.0%-76.9 に対して SOTA: MASS: 85.9%-80.5, Sleep-EDF: 78.9%-73.7)。これは、モデル構造や訓練アルゴリズムを変更せずに、手動で設計された特徴量を利用することなく異なるデータセットからの異なる単一チャンネル生EEGから自動的に睡眠段階スコアリングに必要な特徴量を学習できるという点を示しています。