
要約
本論文では、複数の事実を組み合わせて推論する必要がある質問応答の問題について研究しています。我々は、Query-Reduction Network (QRN) と呼ばれる Recurrent Neural Network (RNN) の変種を提案します。このネットワークは、短期(局所)および長期(全体)の逐次的依存関係を効果的に処理し、複数の事実に基づいて推論を行うことができます。QRNは、文脈文を状態変更トリガーの系列として捉え、時間とともに各トリガー(文脈文)を観察することで、元のクエリをより情報量豊富なクエリに段階的に縮減していきます。実験結果によると、QRNはbAbI QAおよび対話タスクにおいて最先端の成果を示しており、また実際の目的指向型対話データセットでも同様の結果を得ています。さらに、QRNの構式化によりRNNの時間軸上で並列化が可能となり、学習および推論における計算時間が1桁程度短縮されるという利点があります。