
要約
本論文では、目の動きのパターンをバイオメトリクス応用に使用するための新しいフレームワークを提案しています。目の動きには、認知脳機能や神経経路などに関する豊富な情報が含まれています。提案手法においては、目の動きデータをフィクセーション(視点固定)とサッケード(視線の素早い移動)に分類します。フィクセーションとサッケードから抽出された特徴量は、ガウシアンラジアルベース関数ネットワーク(GRBFN)に基づく方法でバイオメトリクス認証に使用されます。出力層でのデータ分類には、スコアフュージョン手法が採用されています。評価段階では、アルゴリズムは画面内のランダムドット追跡とテキスト読解という2種類の刺激を使用してテストされました。結果は、目の動きパターンがバイオメトリクスモダリティとして有効であることを示しています。本アルゴリズムはBioEye 2015データベース上で評価され、他のすべての方法を上回ることが確認されました。目の動きは複雑な眼運動装置によって生成されるものであり、機械的なレプリカによって偽装することは非常に困難です。目の動きのダイナミクスを虹彩認識技術と組み合わせて使用することで、堅牢で偽造に強い個人識別システムの開発につながる可能性があります。