
要約
画像圧縮、画像復元、マルチメディアストリーミングなどの多くのアプリケーションにおいて、出力画像の知覚品質を忠実に評価することは重要な課題です。優れた画像品質評価(IQA)モデルは、高い予測精度を提供するだけでなく、計算効率も高い必要があります。特に、高速ネットワークにおける大容量ビジュアルデータの増加により、IQAメトリクスの効率性がますます重要になっています。本稿では、新しい効果的かつ効率的なIQAモデルである勾配量類似度偏差(GMSD: Gradient Magnitude Similarity Deviation)を提案します。画像の勾配は画像歪みに対して敏感であり、歪んだ画像内の異なる局所構造は異なる程度の劣化を経験します。このことから、全体的な画像品質予測のために、勾配に基づく局所品質マップのグローバルな変動を利用することを検討しました。私たちは、基準画像と歪んだ画像間での画素単位の勾配量類似度(GMS: Gradient Magnitude Similarity)と新しいプーリング戦略を組み合わせることで、GMSマップの標準偏差が知覚的な画像品質を正確に予測できることがわかりました。結果として得られたGMSDアルゴリズムは、ほとんどの最先端のIQA手法よりもはるかに高速であり、競争力のある予測精度を提供します。