
要約
ネットワークにおける欠落リンク予測は、現代科学において理論的にも実用的にも重要な課題である。本論文では、ノード類似度に基づく単純なリンク予測フレームワークについて実証的に検討する。6つの実世界ネットワークにおいて、9つの代表的な局所的類似度指標を比較した結果、最も単純な指標である「共通近傍(Common Neighbors)」が全体的に最も優れた性能を示し、次いで「アダミック・アダール指数(Adamic-Adar index)」が優れた性能を発揮した。さらに、ネットワーク上でのリソース配分プロセスに着想を得た新しい類似度指標を提案し、それが共通近傍を上回る予測精度を示した。また、近隣ノードの情報のみを用いる場合、多くのリンクが同一のスコアを割り当てられてしまうことが明らかになった。そこで、次に近い近傍ノードの情報を活用する新たな指標を設計したが、これにより予測精度が著しく向上することが確認された。