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コンサル業界の構造改革:AI進化と人材削減で新入社員の出世ルートが厳しくなる

4日前

コンサルティング業界に新卒や初級職で入る若手のキャリア形成が、今後10年間にわたり大きな変化に直面する可能性がある。業界関係者によると、大手コンサルティングファームがAI導入を加速させ、人件費削減とパフォーマンス基準の引き上げを進めているため、エントリーレベルと上級職の採用が縮小傾向にある。特に戦略コンサルティング分野では、2021~2022年の過剰採用の後、現在は人材の定常化が進んでおり、求人数は2024年時点で前年比26%減少。エントリーレベルの採用は前年比54%、マネージャークラスは22%減少した。 McKinsey、Bain、BCGといった「大手3社」も人材数の増加が鈍化。BCGは2022年に5,000人を採用したが、2024年は1,000人。Bainは2022~2024年で約1,000人を削減。 McKinseyは2022年比で約11%の人員減少。一方、一部の企業は「採用拡大」をアピールするが、業界アナリストはこれが人材確保のためのマーケティング戦略だと指摘。実際には採用の質が重視され、数より経験や専門性が求められる傾向にある。 業界の構造自体も変化している。従来の「広い基盤+狭い上層部」のピラミッドモデルから、「中間層が太く、エントリーや上級職が減る」構造に移行。戦略コンサルの需要は減少傾向で、企業はテクノロジーなど専門分野のコンサルにシフト。また、AIの導入により、エントリーレベルの業務の多くが自動化され、アナリストの採用がさらに圧迫される見通し。Revelio Labsの分析では、コンサル業界の45%の業務がAIで代替可能とされている。 さらに、パートナー昇格の道も狭まっている。 McKinseyは2024年に約200人をパートナーに昇格させたが、2021年の半分にとどまる。Deloitte UKもパートナー昇格者を25%削減。Bainは採用基準を厳しくし、「感情知能(EQ)」や「AIへの関心」といった素養を重視。若手は「AIをどう活用するか」を自然に考える姿勢が求められる。 業界の専門家は、かつての「12年でパートナー」という夢は今後、実現が難しくなると予測。変化は一時的な景気循環ではなく、構造的な転換であり、10年程度の長期的な調整が続くと見られている。

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