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サムスンが動画AIスタートアップに投資、長時間の映像解析技術を開発

7日前

サムスンは、数万時間に及ぶ映像を分析できるAIスタートアップ「Memories.ai」に投資した。このスタートアップは、複数のビデオや長時間の映像をもとにした文脈的理解を可能にするAIプラットフォームを開発しており、セキュリティやマーケティング分野の企業に向けたソリューションを提供している。 現在のAIツールは、1つのビデオを分析して要約することは可能だが、複数のビデオや長時間の映像に対して質問を投げかけるのは難しい。この課題を解決するのがMemories.aiの技術だ。同社は1000万時間以上の映像処理が可能で、検索可能なインデックスやタグ、セグメント化、データの集約機能を備えている。 共同創業者のシャーン・シェン氏は、MetaのReality Labsで研究者として働いていた経験を持つ。彼は、グーグルやOpenAI、Metaといった主要AI企業がエンドツーエンドのモデルに注力している一方で、長時間の映像理解には限界があると指摘した。人間の視覚記憶のように、広範な文脈を理解するAIの開発を目指しているという。 同社は800万ドルのシードラウンドをSusa Venturesがリードし、サムスンの投資部門「Samsung Next」も参加。シェン氏は当初400万ドルの調達を目指していたが、投資家の関心が高まり、オーバーサブスクライバーとなった。 Samsung Nextのパートナーは、Memories.aiが「オンデバイスコンピューティング」を可能にし、クラウドにデータを保存する必要がない点に注目。プライバシーに配慮するユーザーにとってセキュリティカメラの導入を促す可能性があると評価している。 Memories.aiは、映像からノイズを除去し、重要なデータのみを圧縮して保存する独自のテクノロジースタックを使い、検索可能でタグ付け可能な映像データを提供。マーケティング企業にはブランドのトレンドを分析し、動画制作に役立てるツールを、セキュリティ企業には危険な行動を識別する機能を提供している。 今後は、ユーザーが自分の写真やスマートグラスのデータからAIアシスタントが生活の文脈を理解するような使い方を視野に入れている。また、人型ロボットの学習や自動運転車のルート記憶にも応用可能とされている。 現在、同社は15人のチームで活動しており、資金を活用してチーム拡充と検索機能の改善を進めている。同社は、mem0やLettaといった競合スタートアップと同様の分野に参入しているが、現在はビデオサポートに限られている。また、TwelveLabsやグーグルもビデオ理解を支援するAI開発に取り組んでいる。シェン氏は、自社の技術がより汎用的で、さまざまなビデオモデルと連携可能だと強調している。

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