Philips、AI搭載の次世代心血管超音波システム「Transcend Plus」を発表——FDA認可の26のAIアプリで画像品質と診断効率を飛躍的に向上
フィリップスが、心血管超音波診断の次世代システム「Transcend Plus」を発表した。2025年8月27日、オランダ・アムステルダムで発表されたこの新製品は、EPIQ CVxおよびAffiniti CVxシステムに搭載され、画像品質の飛躍的向上と、米国食品医薬品局(FDA)認可を受けたAI機能の拡充を実現した。特に、2Dおよび3D画像の鮮明さ、コントラスト、詳細度が大幅に改善され、心臓の構造や機能をより正確に可視化できる。これにより、技術的に難しいケースや高負荷な臨床現場でも診断の確信度が高まる。 Transcend Plusは、26のFDA認可AIアプリケーションを標準搭載しており、業界最多。新しく認可された「2D Auto EF Advanced」は、造影剤を使用できない腎機能障害患者を含む幅広い症例に対応し、画像品質が悪い場合でも正確な左室機能評価を可能にする。これにより、医師の判断スピードと一貫性が向上し、エコー室から外来診療まで、診療連携の質が向上する。 フィリップスの心臓病超音波部門責任者、デイビッド・ハンドラー氏は「Transcend Plusは、AIを活用した臨床意思決定の進化を象徴する。人間とAIの協働が、より優れた診療を実現する」と強調。臨床現場の医師、アキル・ナラン医師(ノースウェスタン大学)も、「AIは脅威ではなく、人間の力を補完する道具。自動化された測定は時間と精度を両立させる」と評価した。 同システムは、患者数の増加や人手不足が続く心臓病診療の課題に対応。臨床現場の負担軽減と、診断の標準化・信頼性向上を実現。2025年8月29日から9月1日までマドリードで開催される欧州心臓学会(ESC)2025および、9月5日から7日までのアメリカ心エコー学会(ASE)でライブデモンストレーションが予定されている。フィリップスの超音波システムは世界で年間13.3億件以上の診断・介入手技を実施しており、約6.5億人の患者を支援している。