AIユーザー20億人突破、しかし有料利用者はわずか3%にとどまる
AI利用者数20億人に達するも、収益には大いなるギャップ 人工知能(AI)がユーザー数20億人に到達した一方、支払いをしているのは全ユーザーのわずか3%のみという驚くべきギャップが明らかになりました。米国のベンチャーキャピタルであるMenlo Venturesが報告したところによると、昨月、AIチャットボットChatGPTは3000万回のダウンロードが記録されましたが、支払っているユーザーはごく少数です。 Menlo Venturesの「2025年:消費者向けAIの現状」レポートは、Morning Consultが4月に米国で実施した調査に基づいています。この調査では5031人の米国人大人を対象に実施され、61%の米国人成人が過去6カ月間にAIを使用し、「ほぼ5人に1人が毎日AIを頼りにしている」という結果が出ました。研究チームは、これらの米国でのデータから、世界全体では最大18億人がAIツールを利用しており、6億人が「日々AIを使う」と推定しています。この数字は、インターネットアクセスと年齢分布の地域差を調整したものです。 OpenAIは、年間100億ドルの収益を上げていると報じられています。同社の「ChatGPT Plus」の月額料金は20ドルで、約5%のユーザーがプレミアムアクセスに支払いを行っていると推測されます。しかし、全体的にみても、消費者向けAIサービスに支払いをするユーザーはわずか3%に過ぎないという低いコンバージョン率になっています。 未開拓の市場への道 この使用量と払費の乖離は、新しい製品やサービスの機会としての「大きな白い空間」を指摘しています。AIは既に日常生活の多くに利用されていますが、より普及するためにまだ多くの道のりがあると報告は強調しています。「AIはあらゆる場面で有用だが、日々の習慣化にはまだ距離があり、新たな製品によって一時的な使用を日常的な習慣に変えられる余地がある」と述べています。 米国人のAI使用傾向を見ると、「メールの作成」をAIに助け sought した人は19%、「タスクリストの管理」にAIを活用了 another person is 18%です。これらは比較的低い利用率ですが、「創造的な活動」における利用率は高いことが示されました。例えば、定期的に特定のアクティビティを行うユーザーの34%が「画像作成」にAIを利用していて、創造性に焦点を当てたタスクがますますAIネイティブになりつつあります。ユーザーはどのツールを使ったかよりも、生成されたコンテンツのコントロール、編集、修正の方法にフォーカスしています。HiggsfieldやSunoなどの新興企業は、画像生成や高級デザインに対するユーザーの支払意欲を捉え、爆発的な収益成長を遂げています。 健康管理分野での課題 一方、AIの利用が最も少ない分野は物理的および精神的な健康支援や管理です。米国人の71%が健康情報を調査しますが、その中でAIを使用する人は14%に過ぎません。また、46%が栄養情報を追跡していますが、AIを利用する人はそのうち11%に留まっています。AIが個人的な情報を取り扱うため、信頼性が重要となっています。信頼できる人間のケアチームとAIのデータ分析力を組み合わせた企業は、患者の信頼を得て、保険モデルにも適合し、高品質なケアを提供する可能性が高いと報告は結論付けています。 使用年の違い:親とミレニアル世代 AIの使用に年齢の違いも見られました。Gen Z(18-28歳)は全体的なAI採用率が一番高いものの、ミレニアル世代(29-44歳)が最も頻繁にAIを使っていることが明らかになりました。特にミレニアル世代の親は、子育ての管理(34%)、新しいトピックの学習(28%)、メモの取りと整理(26%)にAIを活用しています。親のAI使用率は一般的に非親の54%に対して79%と高く、生活の複雑さがAIの導入を後押ししていると分析されています。この傾向は、生活上の「高摩擦」な局面を狙った製品開発の新たな方向性を示唆しています。 業界関係者のコメント Menlo Venturesの研究チームは、AIの収益化に大きな空白領域があると指摘し、「信頼性と日常的な利用価値を高める製品」が今後必要になると強調しています。信頼性高いAIとの組み合わせは、ユーザーの支払意欲を引き出す鍵になると予想されています。Menlo Venturesは、AIテクノロジーの先進的なInvestmentを通じて、これらの未開拓の市場に目を向けたスタートアップ企業への支援を続けています。