メタ、AI組織を刷新「メタスーパーアイテルジェンスラボ」新設で強化

MetaがAI組織の再編を発表した。6月に同社のAI責任者に就任したScale AI創業者アレクサンドル・ワン氏が、内部メモを通じて新組織体制を正式に発表した。これにより、Metaは既存のAI部門を解体し、4つの新グループに再編する。新組織は「Metaスーパーアイテルジェンスラボ（Meta Superintelligence Labs、MSL）」と名付けられ、AI戦略の中枢として位置づけられる。 その中心となるのは、ワン氏が率いる「TBD Labs」だ。このグループは、Llamaシリーズをはじめとする基礎モデルの開発を担う。最新版のLlama 4は4月にリリースされており、MetaのAI戦略の核となる。残りの3グループは、それぞれ研究開発、製品への統合、インフラ基盤の強化を専門とする。 今回の再編は、OpenAIやAnthropic、Google DeepMindといった競合に遅れをとっているとの懸念から、同社が急ピッチでAI分野の強化を図る一環である。マーカス・ザッカーバーグCEOも、新組織の構築に直接関与しており、優秀な人材の採用に積極的に取り組んでいると、6月のブルームバーグ報道で明らかになっている。 Metaは、AI分野での競争力を回復し、自社の基礎技術を世界に広めるため、組織体制の刷新を重要な戦略的転換と位置づけている。今回の再編により、研究開発から製品化までのスピードと連携が強化され、今後のAI進化の方向性に大きな影響を与えると予想される。