xAI、データ注釈チームで人事異動 幹部9人以上が退任、AIチューターの業務説明が相次ぐ
xAIのデータ注釈チームで人事異動が相次ぎ、少なくとも9人の上層部メンバーのSlackアカウントが週末に無効化された。Business Insiderが確認したスクリーンショットによると、これらの従業員はGrokの訓練を担うAIチューターを管理する「人間データ管理チーム」に所属していた。チームのマネジメント層は以前、LinkedInのプロフィールや内部情報に基づき10人以上いたとされるが、9月5日以降にSlackでの投稿が見られなくなった。そのうちの1人は、チームマネージャーを監督する技術スタッフで、かつてテスラのAutopilotデータ注釈チームでも勤務していた人物と判明。 xAIは通常、AI開発に外部請負会社を多用するが、米国におけるAIチューターの多くを直接雇用しており、データのプライバシーと管理の統制を強化している。このためコストは高くなるが、品質とセキュリティの面で優位性がある。同社は一時、Scale AIと提携していたが、今年初めに契約を終了。現在は、人材紹介・データ注釈サービスを手掛けるMercorと連携している。Mercorは契約を確認したが、詳細についてはコメントを控えている。 データ注釈チームは、契約社員と正社員を含め1500人以上で構成され、Grokの理解力向上に不可欠な役割を果たす。彼らは原始データをラベル付け・分類・文脈化し、AIが世界を正しく認識できるように訓練する。チームはエンジニアとは別システム(TeachX Slack、別ドメインメール)で運用され、科学、コーディング、翻訳など専門分野ごとにグループ分けされている。 さらに、同社は一部の従業員に対し、1対1の面談を実施。業務内容や貢献度を説明するよう求められており、複数の従業員が「不安感が広がっている」と語っている。この人事の動きは、AI開発の根幹を支えるチームに緊張が走っていることを示唆している。同社は現在、データ注釈チームに9つのポジションを掲載しており、AIチューターの時給は35~80ドル。2月以降、約700人の新規採用が行われたとされる。