Perplexity Comet AIブラウザがChromeに挑戦:機能と課題を解説
パーキンキシティのComet AIブラウザ - これだけ押さえておこう パーキンキシティが開発したAI対話型ウェブブラウザ「Comet」が注目を集めています。ChromeやEdgeなどにAI機能を追加したブラウザとは異なり、CometはAIを基軸に設計されており、ユーザーのワークフローを自動化し改善することを目指しています。 Cometの特徴は、サイドバーに搭載されたAIアシスタント「Comet Assistant」。このAIは開いているタブやウェブページの内容をリアルタイムで解析し、質問に対する回答やコンテンツ要約などのタスクを遂行します。たとえば、YouTube動画の内容について質問したり、Google Docsの文書を分析したり、記事を要約することはもちろん、会議の予約やオンラインでのショッピング、サービスへの登録などにも活用できます。 多様なタブを開きながら問題解決作業を行う人には特に便利です。Cometアシスタントは、タブ間で情報を共有できるため、製品比較や即座の情報分析などが容易になります。また、パーキンキシティの主要な言語モデル(LLM)から得られる回答も正確で、情報源を引用しているため信頼性が高く、事実確認が简单です。ただし、LLM特有のエラーは依然として存在するため、常に回答の検証が必要です。 CometはGoogleのオープンソースプロジェクトChromiumを基盤にしており、Chromeの拡張機能や設定をほぼ完全に引き継ぐことができます。筆者は2023年のMac Mini(M2プロセッサ、8GB RAM、macOS Sequoia 15.5)で試してみましたが、インストールと設定がスムーズに完了しました。しかし、現在のところCometはAppleのMプロセッサ搭載のMacでのみ動作し、IntelベースのMacでは利用できません。将来的にはWindows版とLinux版もリリース予定ですが、具体的な日程は未定です。 Cometには有料の「Perplexity Max」-tierサブスクリプションが必要で、月額200ドルを支払う必要があります。完全に機能するには招待が必要ですが、一部の機能(現行タブの内容を読み取り、クエリに答える)は利用できます。しかし、「Your Comet experience is restricted」というエラーメッセージが出ることも多いです。 パフォーマンスについては、Speedometer 3.1というベンチマークソフトウェアを使用してテストを行いました。このツールはWebアプリケーションのレスポンシビリティを様々なJavaScriptフレームワークで評価します。結果としては、Cometのスコアは29.3で、最新版のChrome 138(34.3)よりも低くなりました。β版であることを考慮すると、将来的にパフォーマンスが向上する可能性は十分にあります。 一方、GmailやGoogle Calendarとの連携に関しては課題があることがわかりました。理論上はメールの送受信やカレンダーの管理が可能ですが、筆者はこれらの機能を利用する際、Googleのセキュリティ制限により頻繁にエラーが発生しました。具体的には、Googleアカウントの認証に失敗したり、メールの送信やカレンダーアイテムの管理に失敗することがありました。 プライバシーに関しても注意が必要です。使い方によっては、自分のGoogleアカウントからのデータがパーキンキシティに保存される可能性があります。AIシステムを利用することでプライバシーを一定程度開放する必要があるため、慎重に判断する必要があります。 パーキンキシティ CEOの展望 パーキンキシティのCEOアラヴィンド・スリニヴァス氏は、6月のブルームバーグテックサミットで「ユーザーがブラウザを使っている限り、無限のリテンションが可能になる」と述べています。Google Chromeをターゲットに掲げ、既存ブラウザからのユーザーシフトを目指す戦略を明らかにしました。 以上から、Cometの理念は魅力的ですが、まだ発展途上であり改善の余地があることが伺えます。将来的には期待できる製品と言えます。