OpenAI、2029年までに1150億ドルを支出予定と発表

OpenAIは2029年までに1150億ドル（約18兆円）を消費する見通しであると明らかにした。同社の幹部が米国証券取引委員会（SEC）に提出した書類を通じて、今後数年間の資金支出計画が公表された。この金額は、主に人工知能（AI）モデルの開発、計算インフラの拡充、研究人員の雇用などに使われる予定だ。特に、次世代の大規模モデルのトレーニングや、世界規模のデータセンター構築に巨額の投資が継続される見込みである。 同社は、現在の収益構造ではこの支出を賄うのが難しいと認識しており、今後も外部からの資金調達に依存する可能性が高い。2023年以降、OpenAIはマイクロソフトとの戦略的提携を通じて大規模な資金支援を受けているが、今後はより多様な投資家との連携を検討している。 この財務計画は、AI産業が急速に拡大する中で、企業の成長に伴う資金需要の大きさを示している。特に、大規模言語モデルやマルチモーダルAIの開発には、膨大な計算リソースと長期的な継続的投資が不可欠である。OpenAIの幹部は、「技術の進化を支えるには、一時的な赤字を覚悟する必要がある」と説明している。 一方で、同社のビジョンは「AIが人類の可能性を拡大する」ことにある。そのため、短期的な損益よりも、長期的な技術的優位性の確保が最優先課題となっている。この資金計画は、AIが今後も世界のインフラとして機能するための基盤づくりを示すものであり、業界全体の動向を左右する重要な指標ともなっている。