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AIが農業の水消費を30%削減、インスタクロップスがテッククルンチディスラプで実証

3日前

農業は世界の淡水使用量の約70%を占め、インドやチリなど一部の国では90%以上に達する。チリ在住のマリオ・ブスタマーテ氏は「水不足は身近な課題だ」と語る。彼が立ち上げたスタートアップ、インスタクロップスは、AIを活用して農業の水使用量を削減し、収穫量を向上させる技術を開発している。 同社は当初、農場にIoTセンサーを設置して霜害の警告を提供するハードウェア事業を展開していたが、技術の普及に伴い、2021年以降、ソフトウェアとAIに事業を転換。現在、260の農場で平均30%の水使用量削減と最大20%の収穫増加を実現している。 インスタクロップスは、新規センサーの設置や既存ネットワークへの接続により、土壌水分、気温、湿度、気圧、作物収量、衛星画像から算出されるNDVI(植物の生育状態指標)など80以上のパラメータをリアルタイムで収集。1時間あたり約1500万件のデータを処理しており、10年前には1年分に相当する規模だ。このデータをもとに、大規模言語モデル(LLM)が最適な灌漑タイミングを判断し、農家にスマートフォンやWhatsAppを通じて通知。ブスタマーテ氏は「今後はWhatsAppを100%採用する。農家にとって最も普遍的なツールだから」と述べる。 高付加価値作物に特化した同社は、チリやメキシコなど南米諸国でリンゴ、アボカド、ブルーベリー、アーモンド、チェリーの栽培にサービスを提供。農家は1ヘクタールあたり年間料金を支払ってサービスにアクセスする。 インスタクロップスはYC夏季2021期の卒業生で、SVG VenturesやGenesis Venturesから資金調達を実施。同社は10月27~29日にサンフランシスコで開催されるTechCrunch Disrupt 2025のStartup Battlefieldに出展し、その成果を発表する予定だ。

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