オットー、獣医療向けAI筆記ツール「AI Recap」を独立型で発表
米テキサス州オースティンを拠点とするVeterinaryテクノロジー企業「Otto」が、獣医療専用のAIアシスタント「Otto AI Recap」のスタンドアロン版を正式リリースした。同製品は従来、同社の統合プラットフォーム「Otto Flow」とのセット販売に限られていたが、今回、独立して利用可能な形で登場。5,000以上の動物病院で採用され、医療現場の実情に根ざした設計が特徴。 AI Recapは診察中に音声をリアルタイムで聴取し、獣医療に特化した言語モデルで正確な構造化メモを作成。Web端末やiOS・Android対応のモバイルアプリから利用可能で、診察中の注目すべき臨床情報のみを抽出し、雑談など不要な内容はフィルタリング。医師はテンプレートをカスタマイズ可能で、自分のスタイルに合わせた記録が可能。作成されたメモはチーム全体で共有され、フォローアップケアの連携をスムーズに。 価格は2人分で月額49ドル、チーム全体(無制限ユーザー)で169ドル。21日間の無料トライアルを提供し、業界最長。長期契約不要で、初期コストも抑えられる点が大きな魅力。 実際の導入病院では高い評価を得ている。アベル動物病院のアマンダ・グレアム医師は「診察室で使っているドクターたちが非常に気に入っている。『二度と戻れない』とまで言ってくれるほど」と語る。また、GVAラッセルリッジのアングエル・マルティン医師も「重要な情報を的確に拾い上げ、不要な情報を除外している点が驚くほど」と評価。 AI Recapは単体でも十分な価値を持つが、将来的に「Otto Flow」へのシームレスな統合も可能。オンライン予約、クレーム管理、会計、内部連携など、すべての機能が一つのプラットフォームで統合され、学習コストやシステムの再構築が不要。導入済みのAI Recapの記録もそのまま引き継げる。 Ottoのゼイネップ・ヤングCEOは「多くの企業が一時的なインパクトに走る中、我々は実用性と価格のバランスを重視。獣医療の現場に根ざした技術を、誰もが手軽に使える形で提供する」と強調。 AI Recapは現在、otto.vet/ai-recapから無料トライアルが開始可能。獣医療現場の業務負担軽減と、より質の高い動物ケアの実現に向けた一歩として注目されている。