NVIDIA RTXで高速化するBlack MixtureのAIクリエイティブワークフロー
米国のクリエイティブエージェンシー「Black Mixture」は、NVIDIA RTXを搭載したシステムを活用し、生成AIを駆使して美しいビジュアルを作り出している。同社は2010年にナット・ドワリカとクリセール・ドワリカ夫妻によって設立され、モーションデザインや制作に独自のアプローチで知られている。近年は、AIをクリエイティブなワークフローの中心として取り入れ、アーティストにAIの使い方を教える教育活動も行っている。 Black Mixtureは、NVIDIA GeForce RTX 4090を搭載したシステムで、生成AIをローカルで実行し、高速かつ柔軟なワークフローを実現している。ComfyUIなどのツールを使い、テキストから画像を生成する際、RTXのGPUアクセラレーションにより1枚の画像生成が2〜3秒で可能となり、数百枚の作業でも効率が大幅に向上する。FLUX.1-devやFLUX.1 Kontextといったモデルも活用しており、参考画像やテキストの入力で迅速に編集を進めることができる。 また、同社はStable Diffusion 3.5も使用しており、RTX 40シリーズのGPUでFP8の量子化をサポートし、VRAM使用量を40%削減しながら画像生成速度を倍増させている。動画制作ではOBS StudioでNVIDIAエンコーダー(NVENC)を活用し、画像生成と動画編集の両方をスムーズに行えるようにしている。Adobe Premiere ProではRTXで加速されたAI機能により、編集の効率もさらに高まっている。 Black Mixtureは、次回のプロジェクトとして「Advanced Generative AI Course」を計画しており、AIのワークフローに取り組むクリエイター向けにライブ講義や自習コンテンツなどを提供する予定。一方、NVIDIAはRTX AI Garageのブログシリーズを通じて、AIの応用やNIMマイクロサービス、AIブループリントなどの情報を発信している。NVIDIA Broadcast 2.0.2もリリースされ、RTX 50シリーズやBlackwell GPUで15%のパフォーマンス向上が実現した。