中国科学院が「坤元」大モデル2種類を発表 陸海連携のAI監視・シミュレーション技術に革新
中国科学院地理科学と資源研究所の蘇奮振研究員、『坤元』大規模モデルの開発者として、7月29日に山東・煙台で開催された第3回海岸帯大会で、自主開発の大規模モデル「坤元・感东南」と「坤元・擬千海」の2つを発表した。両モデルはそれぞれ陸域と海洋を対象に、陸海連携型の知能監視・シミュレーション技術体系を構築した。これはリモートセンシングと海洋研究のAI融合による重要な成果であり、地域レベルの高精度迅速探査や全球的海洋シミュレーションの実現に貢献する見通しである。 「坤元・感东南」は東南アジアの陸域資源環境探査に特化。独自のサンプル自動生成技術と効率的なパラメータ微調整手法を活用し、1990年から2020年までの長期間にわたり東南アジア全域の土地被覆を高精度で推定。7つの主要カテゴリの全体精度は92%を超える。消費級NVIDIA GeForce 4090 GPUを用いても、3~4時間で全地域の推定が完了し、従来の探査手法を大きく刷新。陸域資源環境研究の知能化・効率化を実現した。 一方、「坤元・擬千海」は、大洋の千米層データ不足と理論的限界という課題に応えるため開発された。物理的時空間関係を導入した時空間知能型汎用モデリング枠組みを構築し、時間・空間の相関情報を革新的にエンコードする自己回帰型事前学習モデルを採用。さらに、130万件以上のArgo観測データを段階的微調整で統合。これにより、大洋千米層の流場を高精度で時空間的に再現し、従来法に比べ精度が最大25%向上した。中層海流の動力学的特徴、物質輸送機構、多スケール相互作用の解明に貢献し、海洋動力学と地球気候システムの理解を深化させる。 今後、研究チームは膨大な地理データを統合し、システムの適用範囲を拡大。土地被覆の変化や海洋災害への応答能力を強化し、海岸帯の持続可能な発展に向けた技術基盤の構築を進める。