AIとデジタルサービスの台頭で tech企業がトップ10を独占——インターブランド2025年ブランドランキング
ブランドコンサルティング企業・インターブランドが発表した「2025年ベストグローバルブランド」ランキングで、テクノロジー企業がトップ10を独占した。全体のブランド価値は3.6兆ドルと前年比4.4%増の記録を更新。トップ3はApple、Microsoft、Amazonと、前年と同様に安定した順位を維持した。特に、半導体メーカーのNvidiaはブランド価値の伸びが歴代最大を記録し、15位から急上昇。また、Instagramが初めてトップ10入りを果たし、27%の成長を達成した点が注目された。 インターブランドのグローバルCEO、ゴンサロ・ブルホ氏は、「デジタルサービスの拡大とAIの台頭により、新たなリーダーが急速に誕生している」と指摘。伝統的な強みに依存する企業は成長に課題を抱えていると分析した。同社のブランド経済責任者、グレッグ・シルバーマン氏は、YouTubeとNvidiaが来年のトップ10入りを狙えると予測している。 一方、高級ブランドでは、エルメスが18%の成長を達成し、上位に浮上。ルイ・ヴィトン、グッチ、シャネルは価格高騰による需要減の影響で順位を落とした。特に、パンデミック後の価格調整が中流層の購買意欲を抑制していると指摘されている。 自動車メーカーでは、トヨタが最高位の自動車ブランドとして2%の成長を果たし、742億ドルのブランド価値を記録。一方、メルセデス・ベンツは15%の価値下落を受けて501億ドルにとどまった。食品飲料ではコカ・コーラが601億ドルで8位にランクイン。飲料ブランドとしては最高位を維持した。 このランキングは、AIやデジタルサービスの進化がブランド価値に与える影響の大きさを浮き彫りにしている。テクノロジー企業の優位性がさらに強まる中、伝統的企業も新たな価値創造の戦略を迫られている。