アマゾン、1万4000人削減の真の理由は「文化改革」——ジェシーCEOが明言
アマゾンのアンドリュー・ジャシーCEOは、同社が今週実施した1万4000人のリストラがコスト削減やAI導入を目的としたものではないと明言した。その理由は「企業文化の見直し」にあるという。ジャシー氏は木曜日の四半期決算説明会で、火曜日に発表された人員削減について初めてコメントし、「これは財務上の理由でもなく、今のところAIによるものでもない」と述べた。その背景には、近年の急速な成長によって組織が複雑化し、意思決定が遅れている状況があると説明した。 ジャシー氏は、組織に「多くのレイヤー」が生まれ、現場の責任感や主体性が希薄化していると指摘。AIの急速な進展を背景に、より軽量で迅速な動きが求められていると強調。「気づかないうちに、実際に働いている人間の責任感が弱まり、スピードが落ちてしまう」と述べた。 この動きはアマゾンの2024年の核心戦略――組織のパフォーマンス向上、規律の強化、官僚主義の排除――の一環である。同社の人事経験と技術部門の上級副社長であるベス・ガレッティ氏は、火曜日にブログを通じて人員削減を発表。彼女は「この世代のAIはインターネット以来最も変革的な技術であり、企業がこれまで以上に迅速にイノベーションを実現できるようになっている」と述べ、変化の激しさを背景に組織の見直しが不可欠だと説明した。 今回のリストラは、2022年末の2万7000人削減以来、最大規模のもの。同社は四半期のリストラに伴い、約18億ドル(約2700億円)の退職手当費用を計上した。 アマゾンに限らず、グーグルやマイクロソフトも同様に中間管理職の削減を進めており、大手テック企業が「グレートフラットニング(組織の平坦化)」と呼ばれる潮流に乗り、効率化とスピード重視の文化を再構築している。