アリババ、メタに挑むAIスマートグラス「クォークAI」を発表

中国のアリババがスマートグラス市場に参入し、メタの最大のライバルとなる可能性が浮上している。アリババは、先週末に広がった噂を受けて、正式にスマートグラス「クォークAI（Quark AI）」の開発を発表した。この製品はメタの「レイバン」に非常に似たデザインだが、いくつかの重要な特徴で差別化を図るとしている。クォークAIはディスプレイを備えておらず、通話、音声、翻訳、カメラでの写真撮影といった即時の機能に注力している。これはメタの製品と似たものだが、アリババが持つ独自のサービスが大きな強みとなる。 特に注目すべきは、アリババのスマートグラスがアリペイやタオバオ、アマップとのシームレスな連携を実現している点だ。これらのサービスは中国市場で広く利用されているが、世界的にも拡大している。クォークAIも、Xiaomiのスマートグラスと同様に、QRコードをカメラでスキャンし、音声アシスタントで支払いを確認できる機能を備える。これにより、現地での支払いがスムーズに行えるため、メタの製品に比べて使い勝手が向上する可能性がある。 また、クォークAIは現在のスマートグラスより40％薄く、見た目がよりスマートで、ユーザーにとって快適な使用感が期待されている。さらに、ナビゲーション機能の強化もアリババの計画に含まれており、メタのレイバンには欠けている点だ。アリババは、GPSを統合し、音声でナビゲーションを起動できるようにする予定で、これによりスマートグラスの実用性が高まる。 現在のところ、クォークAIの発売時期や価格、カメラの性能、バッテリー持続時間などの詳細は不明だが、メタにとって新たな脅威となる可能性は高い。Xiaomiのスマートグラスがすでに高い性能を示していることを考慮すると、クォークAIがその半分でも実現できれば、メタは第三世代のレイバンに追いつくために多くの努力をしなければならないだろう。