AIロボット「Element」が農薬と労働力不足を解決へ
AIロボットが農薬と農業労働力を補完 アメリカの農地では労働者不足と除草剤への雑草抵抗力の増加が深刻化する中、スタートアップ企業Aigenが開発した太陽光駆動の自律型農業ロボット「Element」が注目を集めている。このロボットは、コットン畑の雑草の除去にAIを用いて対処し、農民たちに化学物質を避けて安価に作業を行う方法を提供する。 ボウレス農場で見られるように、「Element」は天候に左右されず、太陽光パネルで動力供給を受け、農作物の間を移動しながら小さな刃で雑草を取り除く。このロボットは、搭載されたカメラから得られるデータに基づいて雑草を識別し、農作物を損傷することなく効率的に作業を行うことができる。 共同設立者でCTOのリチャード・ワーデンは、Minnesotaの親戚から雑草取りが高コストであるという話を聞いて「Element」の開発に着手した。彼はAFPに対して、「皆が化学物質で散布された食品を食べている」と述べ、「これは人間の健康を改善するためにできる最大のことだ」と強調した。 同社のCEOケニー・リーは、ソフトウェアのバックグラウンドを持つ。「化学物質を使いたいとは誰も言っていない」と彼は語る。「彼らはそれを道具として使うだけで、我々は代替手段を作ろうとしている。」 Aigenは、保守的な農民らに環境に親しい技術を選ぶよう促している。農民らは政治的な言葉ではなく、自らの土地を大切にケアしたいと考えている。「私たちの目標は、農民が太陽エネルギーを活用し、農業機械を動かす高コストのディーゼル燃料から脱却することだ」とリーは述べた。 現在、Aigenのロボットはトマト、コットン、ビート畑などで運用されており、65ヘクタールの農地を5台のロボットで管理できると推定されている。25人の従業員を持つ同社は、1台あたり5万ドルでロボットを販売している。 業界の評価 AWSの気候テックスタートアップ事業開発責任者リスベス・カフマン氏は、「Aigenは将来の業界の大手になるだろう」と自信を持ち、その技術はFordのModel TやEdisonの電球のように革命的だと評価している。同社は、AWSの「Compute for Climate」フェローシッププログラムに選ばれ、AIツールやデータセンターの電力、技術支援を得ている。 Aigenの取り組みは、農業の持続可能性と労働者の福祉に大きく貢献すると期待されている。