AIが創出した世界初のゲノム編集ツール「OpenCRISPR-1」がネイチャーに掲載
プロフリュエン트がNatureに生成AIを活用したタンパク質設計の研究成果を発表。世界初のAI生成ゲノム編集ツール「OpenCRISPR-1」の開発が実証された。この成果は、プロフリュエントが独自に構築した大規模言語モデル(LLM)が、自然由来のCRISPRシステムを上回る性能を持つカスタム遺伝子編集ツールを設計可能であることを科学的に裏付けた。 従来のCRISPR-Casタンパク質は多様性があるものの、すべての治療用途に適しているわけではない。また、従来のタンパク質工学的手法は性能と実用性のトレードオフを伴う。今回のNature論文「CRISPR–Cas配列のモデリングによる高機能ゲノム編集ツールの設計」では、AIによるタンパク質設計が、方向性進化や構造ガイド付き置換と比較して、スケーラブルに新規編集システムを創出する有力な代替手段であることが示された。 同社共同創業者兼CEOのアリ・マダニ博士は、「Natureに掲載された研究は、最高の科学的厳密性のもとで、我々のLLMが自然由来や従来工学では得られない多様性と革新性を持つ遺伝子編集ツールを創出できることを実証した」と述べた。彼は、「AIによって生物学の可能性を進化の制約から解放し、社会が直面する課題を解決するための新タンパク質を即時設計できる時代に突入している」と強調した。 本論文は2024年に公開されたプレプリントを基に、さらに多数の新知見を加え、AIによるタンパク質設計の有効性を強化。OpenCRISPR-1は2024年以降、学術・産業界の数十万人の研究者が利用しており、治療開発、バイオマニュファクチャリング、農業、気候対策など幅広い分野への応用が期待されている。 同社のビジネス責任者ヒラリー・イートン博士は、「OpenCRISPR-1は倫理的・商業的利用を目的に無料でライセンス可能。GitHubとAddGeneで公開しており、AIによる遺伝子編集の民主化を推進している」と語った。さらに、AIモデルの訓練に用いた世界最大規模のCRISPRシステムデータベース「CRISPR-Cas Atlas」もオープンソース化。研究コミュニティ全体の進展を支援する。 プロフリュエントは2022年に設立され、カリフォルニア州エメリービルを拠点とするAIファーストのタンパク質設計企業。Spark Capital、Insight Partners、Air Street Capital、AIX Ventures、Convergent Venturesらが支援。詳細はprofluent.bioにて確認可能。