GPT-5が8歳向け地図問題で失敗 「スーパーアイ」の現実像が露呈
3日前
世界で最も「知能が高い」とされるAI、OpenAIの最新モデルGPT-5が、8歳児向けの地図テストで重大な失敗をした。このテストでは、米国の州の位置と境界を正しく識別させる問題を提示したが、GPT-5は複数の州を完全に無視し、明確な地理的誤りを示した。その回答は、まるで実際の地図を見たことがないかのように、自信を持って誤った情報を提示した。 この結果は、AIの「知能」が表面的な文脈理解や文の生成にとどまり、現実世界の基礎的な事実を正しく把握できていないことを如実に示している。前回のテスト「鉄の棒テスト」でも、GPT-4は赤熱した鉄棒が火傷を起こすという基本的な物理的常識を理解できなかった。その際、AIは詩を書くことはできたが、実世界の因果関係を理解できなかった。 今回、Sam AltmanCEOはGPT-5を「ポケットの中の博士号保持者チーム」と称し、GPT-4に戻るには「耐えがたい」とまで述べ、極めて高い期待を寄せていた。しかし、実際のテストでは、その「超知能」は地図の基本的構造さえ把握できていないことが明らかになった。 この結果から浮かび上がるのは、AIが「知識の量」ではなく「理解の質」を欠いているという根本的な課題である。GPT-5は文脈を巧みに組み立て、流暢な文章を生成できるが、現実世界の事実に基づいた正確な判断はできない。このように、AIの進化は「見える化された知能」にとどまり、人間のような現実認識や判断力にはまだ遠い。 OpenAIは、AIの能力を過度に神格化する傾向に警鐘を鳴らす必要がある。技術の進展を歓迎する一方で、AIの限界を正しく理解し、人間の監督と検証が不可欠であることを再確認すべきである。
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