中国初の6nmゲーム・AI用GPU「リスアン7G106」が4Kで70FPS以上を達成、RTX 4060と同等の性能を示す
中国が自国製の6nmプロセスのゲームおよびAI用GPUを開発し、テクノロジーの独立性を進めており、Lisuan Techが新たに発表した7G106と7G105のグラフィックカードが注目を集めている。これらのチップは、TSMCの6nm N6プロセスを採用し、同社が独自に開発したTrueGPUアーキテクチャを搭載。NvidiaやAMDのミッドレンジ製品と直接競合するとしている。7G106はゲーム向け、7G105はプロフェッショナルおよびAI用途向けに設計されている。7G106には12GBのGDDR6メモリを搭載し、4K解像度で70FPS以上で中国のAAAタイトルを動作させ、合成ベンチマークではRTX 4060と同等の性能を示している。一方、7G105は24GBのGDDR6(ECC付き)を搭載し、AIやクラウドレンダリング、メタバースなどにも対応。 Lisuanは、これまでの中国のGPU開発とは異なり、アーキテクチャの全体を独自に構築し、インストラクションセットやソフトウェアスタックも自前で開発していると主張。独自のマトリクスメモリレイアウトや動的ロードバランス機能、NRSSというレンダリング品質最適化システムを備えている。 ベンチマークでは、3DMark Fire StrikeでRTX 4060と同等のスコアを記録し、Geekbench 6 OpenCLでは10%高いスコアを出している。ゲームデモでは「Black Myth: Wukong」や「Wuchang: Fallen Feathers」が4Kで70FPS以上で動作し、「Shadow of the Tomb Raider」では80FPSを達成。 Lisuanは、中国国内のGPU開発において新たな段階を示すものとされ、過去の同国企業の試みと比較して、グローバルなメーカーと真正面から競争できる可能性を秘めている。9月に量産開始予定で、価格や最終クロック周波数は未定。中国のゲームや企業市場において、輸出制限やコスト上昇に対応する選択肢として注目されている。