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Google、AIコーディングエージェント「Jules」を正式リリースへ

2日前

Googleは、AIによるコード開発支援ツール「Jules」をベータ版から正式リリースした。同ツールはGemini 2.5 Proを基盤にし、GitHubと連携してコードベースをGoogle Cloudの仮想マシンに複製し、非同期でコードの修正や更新をAIが自動実行する仕組み。開発者は他の作業に集中できる。Google Labsが2023年12月に発表し、5月のI/Oカンファレンスで公開ベータ版を開始。約2か月のテスト期間を経て、安定性の向上と多数のUI・品質改善を経て正式リリースに至った。 Google Labsのプロダクトディレクター、Kathy Korevec氏は、「Julesが長期的に継続する見通しが立った」とし、開発者の実際の利用状況に基づいた構成と料金体系の導入を発表。無料プランは1日15タスクまで、同時実行は3件まで。ベータ版の60タスク制限から大幅に引き下げられ、実際の利用シーンに合わせた設計と解釈を反映している。有料プランはGoogle AI Pro(月19.99ドル)とUltra(月124.99ドル)で、それぞれ5倍・20倍のタスク上限を提供。 プライバシー面では、公開リポジトリのデータはAI学習に利用される可能性があるが、プライベートリポジトリのデータは一切送信されない。ユーザーからの「説明が不明確」とのフィードバックを受け、表現を明確化したが、実際の学習プロセスは変更していない。 ベータ期間中、数千人の開発者が10万件以上のタスクを実行し、14万件以上のコード改善が公開された。これにより、過去の設定の再利用、GitHub Issues連携、マルチモーダル入力(画像やテキスト)などの機能が追加された。また、Julesは非同期で動作するため、ユーザーが作業を開始後、PCを閉じて離れていても、数時間後に結果が返ってくる点が特徴。これに対し、CursorやWindsurfなどは同期型で、ユーザーがリアルタイムで出力を監視する必要がある。 最新のアップデートでは、GitHubでの自動プルリクエスト作成と、開発環境の依存関係やインストールスクリプトを「環境スナップショット」として保存する機能が追加された。また、モバイル利用が45%を占めるなど、スマートフォンからのアクセスが急増。現時点では専用アプリはないが、ウェブアプリ経由で利用可能。Googleは今後、モバイル対応の機能拡張を検討中。内部でもJulesを活用した開発プロジェクトが増加しており、今後さらに拡大が予想される。

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