「NVIDIA、中国市場での損失とクラウド事業の強さ、AI推論需要の急増を報告」
米国半導体企業Nvidiaが7月8日に発表した2024年1四半期決算で、中国市場への影響とクラウド市場での強さが明らかになりました。 Nvidiaは2024年1四半期に約450億ドル(約6兆2250億円)の売上を見込んでいますが、米国の輸出規制により、その中の約80億ドル(約1兆1200億円)のチャンスを逃しています。この輸出規制は前四半期にも約25億ドル(約3525億円)の売上機会を損失させました。CEOのジェンズン・황(Jensen Huang)は、輸出規制が中国政府によるAIチップの開発を加速させていると指摘し、中国が「自国のチップ」に切り替える可能性があることを警告しました。「Nvidiaにとって中国は500億ドル(約7兆円)の市場だったが、この規制により事実上閉ざされることとなった」と황氏は述べています。また、規制は中国のAI開発者がNvidiaではなく国産チップを使うことを促進しており、「世界中の開発者がアメリカ製のテクノロジースタックを選ぶ」というNvidiaの目標とは逆行するとコメントしました。 一方、NvidiaはBlackwell(BloombergCorrection:正確な製品名は「H100」)ビジネスの強さにより、中国市場の影響を一部補完できています。同社のCFOであるコレット・クレス氏は、データセンター事業の売上が391億ドル(約5500億円)となり、そのうち70%が最新のH100GPUによるものだと報告しました。特に、Microsoftはすでに数万個のH100GPUを展開しており、1兆トークン以上の処理を行っています。Microsoftは、H100GPUの高性能版「Blackwell Ultra」の最初の購入者になる見込みであり、出荷は現在の四半期中を予定しています。 将来を見据え、NvidiaはAI推論の需要増加に注目しています。黃氏によると、「新しいAIモデルは推論において大幅な性能向上が求められており、トークン生成量も格段に増えている」とのこと。これには大量の計算リソースが必要で、Nvidiaの最新GPUが活躍の場となっています。「推論において新規需要が急激に増加している」と黃氏は強調しました。また、新モデルは多段階の問題解決やツールの使用、PDFやウェブページの読解、動画視聴などを通じてより高度な結果を生み出すため、単なるデータトレーニングだけでなく、推論にも優れた性能が求められています。 業界関係者の評価では、Morgan Stanleyのアナリスト、ジョセフ・ムーア氏はNvidiaの戦略とビジネスの持続可能性を高く評価し、「中国市場の逆風を含む成長ドライバーが堅固であり、業績は今後改善の一途をたどるだろう」と述べています。Deutsche Bankのロス・シーモア氏も、Nvidiaの技術的リーダーシップとH100GPUの出荷増大によって推論AIの指数関数的な成長と規模の経済性が達成されつつあると肯定的に評価しています。NvidiaはAI市場における継続的な成長を目指して、中国市場以外でも強固な立場を築いています。
