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JPMorgan、AI投資20億ドルで効果実証 年間20億ドルのコスト削減を達成

5日前

JPMorgan Chaseのジャミー・ディモンドCEOは、同社がAI分野に年間20億ドルを投資しているが、すでにそのコストと同等の成果を上げていると述べた。ブルームバーグTVのインタビューで、同社のAI導入による直接的なコスト削減額が約20億ドルに達しており、「20億ドルの支出に対して20億ドルの利益を得た」と説明した。また、「人員削減や時間・コストの節約が実現した」とし、これが「氷山の一角」に過ぎないと強調した。 JPMorganは2012年からAIの研究・導入を進めており、現在はリスク管理、不正検出、マーケティング、カスタマーサービス、アイデア創出など、ほぼすべての業務にAIを統合している。特に、同社が独自に開発した大規模言語モデルは、週に約15万人が利用しており、「非常に生産的だ」とディモンドCEOは評価。幹部やリーダー層も必須の活用を義務づけている。 一方で、AIによる労働力への影響についても率直に語った。「人々は現実を無視してはいけない。AIは仕事に影響を与える」とし、一部の職務が消失する可能性を認めつつも、「早期に再教育や再配置を進めることで、より良い結果が得られる」と述べた。同社は、自動化によって影響を受ける従業員に対して、再トレーニングと職務転換を積極的に推進している。結果として、全体の雇用数は増えるが、特定の業務領域では減る可能性があると指摘した。 この発言は、企業がAIに巨額を投じる一方で、実際の成果が見えづらいという懸念が広がる中で注目されている。メタやオラクルが計画する「スターゲート」プロジェクトなど、AIインフラへの投資は合計で数千億ドル規模に上る。しかし、ゴールドマン・サックスの調査では、多くの企業が高額なインフラコストの回収に苦戦しており、単純な要約作業ですら誤りが多いと指摘されている。AIの実用性と投資効果の間に大きなギャップがあるとの懸念が強まっている。

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