X、Grokの返答に広告を導入へ　マスク氏が広告主向けに発表

エロン・マスク氏は、X（旧Twitter）がAIチャットボット「Grok」の返答に広告を導入する計画を明らかにした。金融時報（FT）が報じたところによると、マスク氏は水曜日に広告主を対象に実施したライブ会議で、Grokの応答に広告を掲載する方針を示した。これは、元CEOのリンダ・ヤカリーノ氏の退任に伴い苦戦を続けるXの広告事業を再生するための戦略の一環だ。 マスク氏は「これまでの焦点は、世界で最も知能的で正確なAIであるGrokの開発にあった。その点では、ある程度成功したと考えている」と述べた。そして、「次は、高価なGPUの運用コストをどう賄うか」という課題に取り組むと強調した。 広告の導入方法については、ユーザーがGrokに問題を尋ねた際に、その解決策として関連広告を提示する仕組みを想定している。マスク氏は「ユーザーが課題を解決しようとしている瞬間に、その具体的な解決策を広告で提示するのは理想的だ」と説明した。 さらに、マスク氏は自身が率いるAI企業「xAI」の技術を活用し、X上の広告ターゲティングを高度化する計画を明らかにした。xAIは今年初めにXを450億ドルで買収しており、今後はAIの能力を広告戦略に統合する動きが加速する見通しだ。 この発表は、XがAIの強化と収益モデルの再構築を同時に進める戦略を示しており、マスク氏の長期的ビジョンである「AIと社会の融合」を実現する一歩となる。