Apple、AI搭載ロボットアーム型スマートデバイスを2027年頃に投入へ
アップルが次世代AI技術を搭載した「ロボットアーム型スマートデバイス」の開発を進めていることが、複数の報道で明らかになった。この装置は、iPad miniサイズの画面を備えた可動式アームに搭載され、2027年頃の発売が予想されている。アップルはAIを「ボール型のロボット」として導入するのではなく、テーブルに設置可能なアーム型デザインで、ユーザーとの対話体験を強化する方針だ。このAIは「Apple Intelligence on a stick(Appleの知能を棒状に)」と呼ばれるほど、人間らしい行動を模倣するという。 報道によると、このAIは単なる音声応答にとどまらず、会話の流れに自然に介入できる。例えば、天気を尋ねられると「窓の外を見て、戻って」、「今日は晴れ、ただし雨の可能性あり」と自然な反応を示す。この仕組みは、アップルが1月に公開した研究論文「ELEGNT」に基づくもので、ユーザーの動きや状況を把握し、より人間らしい反応を可能にする。 AIの外見については、2つの案が検討されている。ひとつはMacの「Finderロゴ」をアニメ化したデザイン。もうひとつは「Memoji」風のキャラクター。前者を望む声が強いが、どちらもこれまでの冷たいAIの印象を一新する試みだ。映画『HER』のSamanthaのような感情的なAIではなく、ピクサーの『ルクソ・ジュニア』のような、ちょっとぎこちないが愛らしい存在を目指している。 このデバイスは、2027年までに登場する「本格的なロボット」の前段階として、2025年頃には壁掛け式のスマートディスプレイ型デバイスが登場する可能性がある。これはHomePodとEcho Spotの中間的な存在で、カレンダー、FaceTime、Apple Musicなどのアプリを活用したスマートホーム制御が可能。OSは現在「Charismatic」というコードネームで開発中。 ただし、この計画の成否は、まずアップルがAIとSiriの信頼性を回復できるかどうかにかかっている。前回のAIアップデートは混乱を招き、ユーザー信頼を損ねた。今後、アップルは自社開発のLLMか、AnthropicのClaudeなど外部モデルを活用する可能性があるが、まずはスマートフォンでのAI機能の安定化が最優先課題だ。