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OpenAI、医療分野での本格展開へ ドーシュミー元幹部とインスタグラム元トップを任命

9時間前

OpenAIが医療分野への進出を加速させるため、InstagramとDoximityの元幹部を新しく採用した。同社は、医療現場向けのAIサービスを直接提供する体制を整え、自社開発の医療AIアプリケーションの展開を本格化させる。新たに就任したのは、Doximity共同創業者で元戦略責任者であるネイト・グロス氏と、Metaで12年間Instagramのプロダクトチームを率いたアシュリー・アレクサンダー氏。グロス氏は6月に加入し、医療分野のマーケティング戦略を統括。医師や研究者と共同で新技術を開発する計画を掲げる。アレクサンダー氏は、医師と患者向けのプロダクト開発を担当する副社長に任命された。 これまでOpenAIは、医療AIの研究開発や他社の製品に技術を提供する形で関与していたが、今後は自社ブランドで医療AIサービスを直接提供する方向に転換する。CEOのサム・アルトマン氏は、GPT-5の発表時、医療分野での性能を「博士号保持者レベル」と評価。健康に関する質問に「非常に優れた」結果を示したと述べ、AIが個人の健康管理を支援できる可能性を強調した。 この動きは、OpenAIが基礎モデルにとどまらず、上位のインフラやアプリケーションまで自社で統合する戦略の一環。教育分野では学生向けの「Study Mode」を、販売支援や予約・買い物を自動化するエージェントツールも展開。医療AI市場は既にパラントールやマイクロソフトが参入しており、同社はEpicとの連携で医療記録のAI処理を進めている。 グロス氏はDoximityを15年前に創業し、医師向けSNSとして成長させた実績を持つ。2023年には同社がOpenAI技術を活用した「Doximity GPT」を発表。また、AI診療補助ツールの開発を進めるPathway Medicalを6300万ドルで買収。アレクサンダー氏はInstagramの広告、クリエイター収益化、動画機能の開発で貢献した経験を持つ。 医療AI研究を牽引するのは、元グーグル研究者でMed-PaLM開発に携わったカラン・シンガル氏。同社は現在、医療AI研究者と医療ソフトウェアエンジニアの採用も進めている。また、ケニアの小規模医療機関Penda Healthとの共同実証実験も継続。他にも小児医療スタートアップSummer Healthや保険テック企業Oscar Healthへの技術提供も継続している。 OpenAIは「AGIの最大の影響の一つが人類の健康の向上になる」とし、医療分野でのAIの可能性を重視している。グロス氏とアレクサンダー氏の参画により、同社の医療AI戦略はより実用的・市場志向に加速する見通し。

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