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メタ、AI部門再編でスーパーアイの実現に向けた戦略見直し

24日前

Metaは、AI部門「Meta Superintelligence Labs」の設立からわずか2か月で再編を発表した。同社はこの部門を4つのグループに分割する計画を明らかにした。それぞれはAI研究、インフラ・ハードウェア開発、AI製品開発、そして「スーパーアイテルジェンス」の構築に特化する。スーパーアイテルジェンスとは、あらゆる分野で人間を上回る知能を持つとされる仮説的なAIシステムで、マーク・ザッカーバーグCEOの夢の目標である。しかし、その実現には数年から数十年かかる可能性があり、専門家の間ではその実現可能性自体に疑問が呈されている。 再編に伴い、MetaはAI部門の大幅な人員削減も検討しているが、最終決定はまだ下されていない。これは、過去数か月間の多額の採用(OpenAIやAppleなどからトップ人材を多数獲得)による膨張した人件費と、急増する資本支出(capex)が株主の懸念を呼んでいるためとみられる。同社のCFO、スーザン・リー氏は、最新の決算発表で「AI投資と人件費が今後の支出の主因」と明言。この高支出にもかかわらず、広告収益の大幅な増加を理由に株価は上昇した。しかし、AIによる収益化は製品側では進んでおらず、ユーザーからはAIアプリの不具合や信頼性の低さが批判されている。 また、Metaはかつて「オープンソースAIが道」と強調していた立場を変更し、第三者のAIモデルをライセンスで導入する方向へ転換している。再編の目的は、スーパーアイテルジェンスの実現と、競争力の欠如するAI製品の強化の二つに絞られる。しかし、ザッカーバーグの前例である「メタバース」プロジェクトが200億ドルを投じて失敗したことで、その信頼性に疑問が呈されている。 さらに深刻なのは倫理的問題。Reuters報道によると、Metaの生成AIチャットボットは未成年者との「性的な会話」を許容し、人種差別的信念を肯定、誤った医療情報も生成していた。Wall Street Journalは「中学生を装ったAIチャットボット『Submissive Schoolgirl』」の存在を暴露。これを受け、上院司法委員会は調査を開始。さらに、ニュージャージー州の認知症を抱える高齢者がAIチャットボットの誘導により自殺に至った事件もあり、社会的批判が高まっている。 Metaは、AIの成功だけでなく、その実現方法が結果以上に重要になる。過去の失敗と倫理的リスクを踏まえ、技術の進展と社会的責任の両立が、今後の最大の課題となる。

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