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WalmartがOpenAIと提携し、ChatGPT内でAIファーストのショッピング体験を実現。今後はチャットから商品購入が可能に。

5日前

Walmartは2024年9月、OpenAIと提携し、ChatGPT内から直接商品を購入できる「エージェント型ショッピング」機能を導入すると発表した。この機能により、消費者はChatGPTアプリ内で「buy」ボタンを押すだけで、ウォルマートの商品——主に生鮮食品を除く日用品や食料品——を即時購入できる。特にサムズクラブ会員は、AIとの会話を通じて食事の計画や必需品の補充、新商品の発見も可能になる。ユーザーはウォルマートアカウントをChatGPTに連携させれば、ショッピングがスムーズに進行する。今後、秋にはサードパーティ販売者商品も対象に拡大される予定だ。 この提携は、ウォルマートがAIを活用した「プロアクティブな」小売体験を実現するための一環である。従来の検索バーとリスト表示にとどまっていたEC体験から脱却し、AIがユーザーの好みや行動を学び、予測して買い物をサポートする「コンテキストに応じたマルチメディア体験」へと進化する。ウォルマートCEOのダグラス・マクミロン氏は「この変化は、数年間のECのあり方を根底から覆す」と強調。同社は既に自社開発の生成AIアシスタント「Sparky」を展開しており、商品比較や再注文、テキスト・画像・音声・動画のマルチモーダル入力に対応する機能を順次拡張している。 一方で、OpenAIも自らのeコマース戦略を強化しており、EtsyやShopifyの販売者と協業し、AIが商品発見・推薦・決済を自動で行う「エージェント型コマース」の実現を目指している。9月にはStripeと提携し、「インスタントチェックアウト」ボタンをChatGPTに導入。ユーザーはチャット内で直接購入可能となり、毎日5000万件以上の買い物関連クエリがChatGPTを通じて処理されている。 ウォルマートは、AIを内部業務にも活用しており、社員向けのAI研修プログラムやChatGPT Enterpriseの導入を進めており、ファッション生産のスピードを最大18週短縮、カスタマーサポート対応時間を最大40%改善している。一方、アマゾンはAIチャットボットへの商品リスト公開を制限し、自社の広告収益を守る方針を取っているが、ウォルマートは外部連携を積極的に進め、ユーザーの利便性を最優先する戦略を貫いている。 専門家は、ウォルマートのこの動きを「AI小売の先駆け」と評価。マズーホ証券のデイビッド・ベルリンガー氏は「ウォルマートは、他社が遅れている中で、エージェント型コマースのリーダーとしての地位を確立している」と指摘。今後のホリデーシーズンが、AIショッピングが実際の販売をどう促進するかの試金石になると注目されている。

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