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AI時代のクラウドセキュリティ:Wiz創業者が語る「開発とセキュリティの共鳴」

4日前

Wizの共同創業者兼CTOであるアミ・ルットワク氏は、人工知能(AI)の急成長がセキュリティのあり方を根本から変える必要があると強調している。同社は2020年3月に設立され、コロナ禍でオンプレミスからクラウドへの急速な移行に伴い、ネットワークセキュリティからクラウドセキュリティへと事業を転換。わずか18か月で年間定期収益1億ドルを達成し、5年で320億ドルの価値を持つ企業に成長。現在、グーグルによる全額現金買収が進行中で、同社の今後の方向性に大きな注目が集まっている。 ルットワク氏は、AIによるコード生成の進化が開発スピードを「100倍」に加速させたと指摘。これにより、開発者は「1時間でアプリをVibeコーディング」できるようになったが、セキュリティチームはそのスピードに追いつけていないと述べる。従来の中央集権型のセキュリティ体制では、開発者が「安全に」開発するための手続きが遅く、エンジニアとセキュリティチームの間に亀裂が生じている。彼は「セキュリティは第二の地位に置かれるが、実際は命取り」とし、セキュリティを「民主化」し、開発者が自らのコードに対して責任を持つ「セルフサービス型」の仕組みを推進する必要があると訴える。 また、AIの導入に際しては、顧客の多くが「AIを使わない」と求める一方で、他は「AIでよりスマートに」と要求するなど、両極端なニーズが存在する。ルットワク氏は、内部プロセスと製品用のAIパイプラインを分離し、機密データのリスクを回避しながら、サポート自動化や複雑な分析を実現するチームを構築している。 彼は、AIが「Google Maps」のように、コード、ネットワーク、認証、機密情報、マルウェアなど、多層的な環境データを統合的に理解できる点が自社の強みだと強調。AIの能力はデータの質に依存するため、自社が保有する包括的なデータ基盤が競争優位につながると語る。今後、AIネイティブなスタートアップが台頭するリスクもあるが、自社の環境理解の深さが勝ちを左右すると結論づけている。

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